大塵塩蔵雑記帳

異常者大害虫の備忘録

ヌタウナギのお話①

 ヌタウナギ、皆さんはどのようなイメージをお持ちであろうか?ヌルヌルして気色悪い深海の魚モドキ、と言ったところであろう。

 実際、大きくは違わないのであるが、飼育を試みた人は一体どれほどいるのだろう?今回、私がヌタウナギに魅了され翻弄された顛末を語りたい。

 そもそものきっかけは、ツイキャスであった。深夜に正常な判断力を失った状態で配信をするのはお勧めしない。何故なら、意味不明な生物の飼育をする羽目になるからである。当時サカバンバスピスが大流行?していたのであるが、そこそこ影響力のある生き物系アカウントがサカバンバスピスがヌタ、ヤツメに近縁であるとツイートしていたのが目についた。

 そんな細かいことどうでもいいと思われるかもしれないが、いわゆる無顎類とは多系統群である。何が言いたいかと言えば、サカバンバスピスは、ヌタ、ヤツメの含まれる円口類よりもむしろ我々顎口類に近縁な系統に含まれるのである。わかりやすく言えば、そもそも脊椎動物の初期に存在した複数のグループは皆顎がなく、そのうち一つのグループのみが後に顎を得るのだが、その顎を得るグループの途中、顎を得る前に分岐したのがサカバンバスピス、とざっくり捉えていただきたい。個人的に、このような誤解が広まるのはあまり好ましくないので、キャスで文句をたれていたのだが、そのうちにヌタウナギの話になった。

 ヌタウナギは飼育できるのか?そんな話題になり、ネット上を調べるも、少なくとも日本では個人の飼育記録は、たった一つのブログに5記事あるかないかと言ったところであった。そして、私はこのサイトを見つけてしまったのである。

http://www2.tbb.t-com.ne.jp/enoshimaanago/index.html

ヌタウナギ販売、その文字に心が揺さぶられた。発送は本州のみ、しかし今の私は本州に住んでいる…これは、飼うしかないのではないか?

そんな揺れ動く私を、キャスの視聴者たちが地獄へと誘った。

そうして私は、地獄への道を突き進むべく、注文メールを送信してしまったのである…

 そして早くも、ここで問題が生じた。活ヌタウナギの注文は10匹が最低というではないか。これは困った。私が当時用意できたのは50センチ衣装ケース改造水槽のみであり、10匹はとても収容不能である。そこで、とりあえず3匹は生かして残りは食べようということになったのである…

  さて、7匹のヌタウナギを食べるとなると、1人では厳しい。円口類特有の莫大なビタミンAの量的に1人が1日に5匹以上食べるのは過剰摂取になり得るし、珍しい食材なのでできるだけ多くの人に食べてみてもらいたい。

ということで、複数箇所で食べたい人を募集したのであるが、なんと10人以上もの人が食べたいという…ヌタウナギが足りない。そうして私は、追加で3キロの冷凍ヌタウナギを購入したのである…これでは本末転倒である。

そして、奴らが届いた。

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続く…